SPEC(スペック)
警視庁特殊部隊(SIT)に所属する瀬文焚流(36)。27歳の若さで小隊長まで上り詰めた凄腕の彼であったが、ある任務の途中、横にいたはずの部下・志村優作が突然前から発砲してきてしまう。死を意識した瀬文だが、なぜか銃弾は志村優作に命中した。
この事件を契機に、瀬文は異動を命じられる。異動先は公安部公安第五係未詳事件特別対策係(通称:ミショウ)。
ミショウには瀬文を入れて3人しか所属していない。嘱託係長の野々村と、捜査官の当麻である。
当麻は24歳ながら、異常な記憶力を持ち、IQは201で、京大理学部卒。しかし攻撃的な性格から瀬文と衝突を繰り返す。また、事件で負傷した左腕を三角巾で吊るしている。
そこへ来客が来る。参議院議員の五木谷と秘書の脇である。
依頼は五木谷の警護。懇意にしている占い師の冷泉から、近いうちに開かれるパーティで五木谷が毒殺されるとの予言を得たからであった。
さっそく冷泉に会いに行き、冷泉を恐喝容疑で逮捕した当麻と瀬文は、冷泉が本物の能力者であることを予感する。
そしてパーティ当日、五木谷は予言どおり死んでしまう。しかし、五木谷の死因は毒殺ではなく心臓麻痺であった。
当麻はその推理力を生かし、トリックを解明する。
それは脇の超人的な能力であった。
脇は元々医者で、その知識を生かして五木谷に人体に存在するカリウムを多量に注射器で投与し、殺害したのだ。
そして証拠の注射器は、脇の超人的な能力で天井に突き刺し、隠滅していた。
そのことを追求した当麻と瀬文は、逆に脇に殺されそうになる。
脇は瀬文の銃を奪い、瀬文に向けて発射する。
しかしその瞬間、時間が止まる。
そして一人の青年(一十一)が止まった時間を自由に動き回り、弾丸の向きを変えてしまう。
変えられた弾丸はそのまま脇に命中する。
何が起きたか分からないまま、瀬文は死んでいく脇を見守るしかなかった。
第1話のストーリー