SPEC(スペック)
結局志村は殺された。瀬文はそのまま行方不明となる。
ミショウは取り潰されることになり、野々村係長は解雇、当麻も人事課預かりとなってしまう。
一方、一(にのまえ)は組織の幹部達を皆殺しにしていく。
時間を止めることができる彼にかなうものはいなかった。一は「これから二度と僕に逆らうなと全員に伝えろ」と言った。
瀬文はとある公園に居た。そこにある男が近づいてきた。その男は津田助広であった。
SPECの組織に身柄を引き渡し、殺されたはずの津田。しかし目の前にいる男はまぎれもなく津田であった。
瀬文はどういうことか尋ねた。
「津田という男は何人もいる。それが零課が最強の組織たる所以だ。」
つまり、津田助広という名前は、何人もの過去を捨て去った人間が受け継ぐ名前で、どの津田助広が死んでも代役がいるというのだ。
津田は瀬文に零課に入らないかと誘う。
志村の仇を討ちたい瀬文はそれを了承する。しかし交換条件として、ミショウの人間の立場は維持してもらいたいと伝える。
津田は「わかった」と言った。
電気も水道も全て止められていたミショウの職場。
しかし突如電気が点き、辞令が下る。それは野々村係長と当麻の復職であった。
津田の計らいでミショウが復活したのだ。
全てを捨て、零課に加入した瀬文の下に津田が現れ、SPECの組織からのリークで一(にのまえ)の居場所が判明したので急襲するとのこと。
また、一の生死は問わず、一緒にいると見られる母親も殺してよいとの命令であった。
一の部屋に突入した零課。その中のある男は相手の動きを封じるSPECを持っていた。その能力で一の動きを封じた零課は爆弾を使って隊員もろとも吹き飛ばす。
しかし瀬文は直前に母親だけはかばって助けた。
完全に一を吹き飛ばしたと思われたが、時間を止めることができる人間にはかなわず、母親をかばった瀬文以外全員殺されてしまう。
「何人もいた津田もついでに全員殺してきた。ただしあんた(瀬文)だけは母さんを助けようとしてくれたから見逃してあげる。でも次は許さないからね。」
といって一は去ってしまう。
野々村係長は上層部から一を殺すように命令を受ける。
単身、一に立ち向かう野々村であったが、時間を止められる能力の前になすすべなく、瀕死の重傷を負う。
瀕死の野々村は洋服ダンスに入れられ、ミショウに届けられた。
当麻は一と対決することを決意し、志村美鈴を訪ねる。
野々村を刺したナイフを持参し、美鈴に触れてもらい、現在の居場所のビジョンを見てもらう。
そこは横浜であった。
そして瀬文も同じ場所に向かっていた。
一の部屋では一が母親と二人で食事をしていた。
そこへ再び、現れる男。男の手によって一の母親の記憶が完全に消去される。
「母さん、今までありがとう。」
瀬文の前に一が現れた。銃で応戦するもなすすべなく時間が止められる。
そこに当麻が到着し、発砲する。
止まった時の中で一は言った。
「正確には時間を止めてるんじゃない。君達と僕の時間の流れが違うだけなんだ。」
殺そうとナイフを振り上げた一は何かに気がつく。
「まさか…動いてる??」
第9話のストーリー